怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

自由記述帖

140字小説「猟犬」

「猟犬」 その猟犬は良い猟犬だった。 猟師のために、 獲物を狩りだし、格闘し、回収をした。 ある日、山で猟犬はまがいものを見た 猟犬は迷わず逃げた、その姿を見た猟師は犬を全力で追いかけた。 犬の通った道は安全である。 獲物にならないわけのわからな…

自由記述帖「又鬼(またぎ)」

自由記述帖「又鬼(またぎ)」 ニロクという名の腕の良いマタギがいました。 そのニロクが家で酒を飲んでいると、女が家に入ってきたのです。 その女はとても背が高く、青い目で、生きた花が咲いた着物を着ていました。 ニロクはこれは面倒なのが来たと思い…

140字小説「天ぷらそば」

「天ぷらそば」 天蕎麦の天ぷらは衣が厚くなければならぬ。 蕎麦のつゆに負けない、 衣のしっかりとした天ぷらが天そばには必要である。

140字小説「盗人坊主」

「盗人坊主」 ある坊主が盗み食いをした。怒った仏は罰を与えた。盗み食いした物が鼻から出るという罰を。

自由記述帖「日光金谷ホテル、コンソメスープ」

お題「思い出の味」 自由記述帖 「日光金谷ホテル、コンソメスープ」 名前の通りに、日光にある、日光金谷ホテルでの夕食に出たコンソメスープには筍が美しい琥珀色のスープに入っていて、複雑でしっかりとした伝統と格式を感じる味のコンソメスープでした …

140字小説「平茸坊主」

「平茸坊主」 生臭坊主は平茸になるという。 だから平茸はたいしたことのない食物だと。

140字小説「座敷童」

「座敷わらし」 座敷童は座敷童集である。 子供達が五人で遊んでいた。 ふと気が付くと、六人いる。

140字小説「化け猫」

「化け猫」 猫が年を重ねると化け猫になる。 しっぽが二つにふえて怪しげな術を使う。 そして仕返し帳に書いた相手に復讐をする。

140字小説「怪談」

「怪談作家」 怪談作家がいた。 怪談作家の家に近所に住む少年がたずねてきた。 「怪談作家ですから夜が好きですか」

140字小説「張物女房」

「張物女房」 木の枠に布を張った物を張物と言う。 画家が張物に女を書いた。 描かれた女は見事だった。

140字小説「ハンバーグ定食」

「ハンバーグ定食」 男が馴染みの定食屋に行った。 「珍しいハンバーグどうですか」 定食屋の主人が言った。 男がそれを頼むと、主人はにやにやとそれを作った。

140字小説「山女」

「山女」 昔、山女という洋人のような者がいたらしい。 詩仙といわれた李白は漢民族ではないという者がいる。 中国には碧眼の人がいたという。

140字小説「夢買い」

「夢買い」 男が夢を買った。良い夢を買ったのだ。 イセエビを腹いっぱいに食べる夢を買ったのだ。 男は夢を買ったので成功が実現するのを寝て待った。

140字小説「反魂香」

「反魂香」 二人の老人がつまらない賭けをした。 反魂香という死人が煙に出るお香を焚き、 どちらの思いが強く死んだ女房を思っているか賭けたのである。