怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「力太郎」(楽しい民話)

    伝聞昔話「力太郎の話」

 

 汚い婆様と汚い爺様がいました。

 長者の家で金持ちでしたので二人は良い屋敷に住んでいました。

村人はその屋敷をごみ屋敷と呼んでいました。

 二人には子供がいませんでした。

二人は子供がとても欲しかったのです。

 そして二人は自分たちの垢で人形を作りました。

 子供の代わりにと垢で人形を作ったのです。

 その垢でできた子供に力太郎と名付けかわいがったのです。

 二人は力太郎を自分の子のように扱いました。

 

 一年がたちました。

「めしくれめしくれ」

 力太郎はそう泣きました。

 二人は力太郎が動いたことを喜び、飯をあげました。

 力太郎はごみ屋敷の米をばぁくばぁくと食べていきます。

 一斗食べ足りないと泣き、一俵も米を食べたのです。

 一俵の米を食べると、力太郎は身の丈六尺にもなっていました。

 力太郎は力がとても強く、村人二十人と綱引きで力比べをしても片腕で勝ちました。

 村人にごみ屋敷の力太郎と呼ばれました。

 

「この力、広い世界で試したいのです」

 力太郎は婆様と爺様に言いました。

 二人は百貫の鉄の棒を力太郎に渡しました。

 旅の途中で力太郎は御堂を担いでいた御堂っこ太郎に会いました。

「われは、天下一の力持ち御堂っこ太郎なり」

 御堂っこ太郎は言いました。

 力太郎は御堂っこ太郎と力比べをしました。

 そして力太郎は力比べに勝ち、御堂っこ太郎を家来にしたのです。

 二人は岩を素手で削っている岩太郎に会いました。

 力太郎は岩太郎に力比べに勝ち家来にしたのです。

 

 三人は町に着きました。

 その町で力太郎たちは三人の姉妹にあったのです。

「一番上のお姉さまが今夜、鬼の生贄にされてしまうのです」

 一番下の妹が泣きながら話しました。

「その鬼は我々が退治しよう」

 力太郎は姉妹に約束したのです。

 夜になりました。

 どぉすぅうん

 どぉすぅうん

 すごい音と共に家のように大きな鬼があらわれたのです。

 御堂っこ太郎と岩太郎は鬼に向かっていきました。

 ぺぇろぉり

 ぺぇろぉりぃ

 と二人は鬼に食べられてしまいました。

「二人の仇」

 力太郎は叫び、鬼に向かっていきました。

 鬼と力太郎の力は互角でした。

 いえ、鬼の方が少し強かったのです。

「なんて力の強い鬼だ」

 力太郎が汗を滝のように流し言いました。

 すると、いきなり鬼が腹をおさえて苦しんだのです。

「痛い、腹が痛い」

 鬼が泣き叫びます。

 御堂っこ太郎と岩太郎が鬼の腹で暴れたのです。

 力太郎は百貫の鉄の棒で鬼をめちゃくちゃにしました。

 そして、御堂っこ太郎と岩太郎が鬼の口から出てきました。

 

 三人は三人の姉妹と結婚したのです。

 そして、力太郎は嫁と共に家に帰りました。

 嫁はごみ屋敷を見て驚きました。

「ありゃ、なんと汚い」

 嫁は言いました。

 嫁はつむじ風のように家を何もかもをきれいにしました。

 それから、きれいになったごみ屋敷は力屋敷と呼ばれるようになったのです。

 

聞き伝える昔の話でございます

 

すごくよくできた英雄物語ですが、

きたない。

垢太郎にしたかったけども、

 

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。