伝聞昔話「鬼指南」(雨月物語・青頭巾の中)
伝聞昔話「鬼指南」
人は生きながら鬼になる者がいます。
仏の広大さを理解せず、おのれの欲にまかせるままこの世を終わり、愛欲邪念の業障に握られて、生きていた時の形や、鬼や蛇になって祟りをなすことがあります。
快庵は男に鬼とはどのような物かと語っていました。
快庵は語ります。
生きたまま鬼になる者がいます。
楚王に愛された宮人は蛇になりました。
王含の母親の金氏は狼の夜叉となりました。
呉生の妻は蛾になったのです。
こんな話があります。
昔、ある僧がいました。
その僧が卑しい家で一夜を過ごした時です。
その夜は風雨が激しく、灯りのない侘しさに寝つかれずにいました。
夜更けに羊の泣き声がし、しばらくすると僧の寝息を確かめ匂いを嗅ぐ者がいました。
灯りがないので何も見えず、不快感が僧を包みます。
僧が枕元の禅杖で強く打つと、何かが大声で叫び倒れたのでした。
その音に驚いた家主の老女が灯りを持って来ると、倒れている若い女がいたのです。
老女は泣きながら、
「お許しください、お目こぼしをお願いします」
とその女の命を乞いました。
僧はその姿を黙って見ていました。
そして、僧はかまわずに家を出たのです。
その後、僧は用があり、その里を通ると、田の中に多くの人が集まって何かを見ていました。
「何かあったのか」
僧がたずねますと、
「鬼となった女を殺して、今埋めたのです」
そう里人が答えたのでした。
その言葉で、僧はあの老女と女の姿を思い出したのでした。
女の性根のひねくれたものが浅ましい鬼となるのです。
しかし、男でも鬼になる者はいます。
隋の皇帝の臣下の麻叔謀という者は、子供の肉が好物でした。
密かに欲望のままに民の子を盗み、蒸したりなどして、うめぇうめぇと食ったのです。
男でも女でも浅ましい夷心が鬼となるのです。
阿闍梨として尊敬を集めていた者が、美童を愛し、美童の死体を愛し食ったことで鬼となったのなら、それは心ではなく過去の因縁でしょう。
快庵は男にそう語ったのでした。
聞き伝える昔の話でございます
雨月物語の青頭巾から
これの一応続きです。
で終わりと言えば終わり。
青頭巾を三つに分けました。
理由は人が音読するのは2000文字が限界かなっていう
理屈に縛られているからです。
この話は鬼とはどんなものかという話です
で、恨みもないのに好きな童食って鬼になるって珍しいねと
原作では続くのです。
夷心はえびずごころで荒々しい心です。
あと女性がどうのと言っていますが、
センシキジンの言葉ですよぉ
ってかセンシキジンさん漢字が出すのつらいよ…
ださないけどな。
メモ的な文章です。
※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。