深夜の詩会「小さな娘が思ったこと」茨木のり子
深夜の詩会「小さな娘が思ったこと」茨木のり子
小さな娘が思ったこと
人の奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
木犀みたいに
くちなしみたいに
人の奥さんの肩にかかる
あの淡い靄のようなものは
なんだろう?
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
どんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか・・・・
小さな娘がおとなになって
妻になって母になって
ある日不意に気づいてしまう
人の奥さんの肩にふりつもる
あのやさしいものは
日々
人を愛していくための
ただの疲労であったと
いいですね。
次は重たい詩を伝えたいですね。
母の日にいい感じ。
間に合わなかったけどな。