「言葉の世界旅行記」併「古典文学黒歴史」

「コトバノセカイリョコウキ」HEY「コテンブンガククロレキシ」

詩会「歌」新川和江

詩会「歌」新川和江

 

はじめての子を持ったとき

女のくちびるから

ひとりでに洩れだす歌は

この世でいちばん優しい歌だ

それは 遠くで

荒れて逆立っている 海のたてがみをも

おだやかに宥めてしまう

星々を うなずかせ

旅人を振りかえらせ

風にも忘れられた さびしい谷間の

痩せたりんごの木の枝にも

あかい 灯をともす

おお そうでなくて

なんで子供が育つだろう

この いたいけな

無防備なものが

 

f:id:artart1982:20180512231119j:plain

凄い歌ですね。

吉本ばななさんのイルカを読んだ時のような、

羨望だけが湧いてきます。

 

広告を非表示にする