怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「レッシングのたとえばなし」(名作集より)

  伝聞昔話「レッシングのたとえばなし」

 

  馬と牛

 勇ましい馬がその勇ましさを見せつけます。

 その勇ましい馬にとくいげな少年がまたがっています。

 その姿を牛がなげきました。

「なんという、なさけない姿だ。そのような何もしらぬ、しらぬことをほこる子供に自由にさせるなんて」

 牛がさけびました。

 

「自由にさせるのが強さだからだ」

 牛が馬に言います。

「このような子供をふり落として手に入るのは不名誉だけだからな、この子を守る名誉を私はえらぶのだ」

 馬は牛にそう言うと、少年をのせ楽しげに走っていったのでした。

 

 

  牛と鹿

 のろまな牛と、すばやい鹿がいました。

 いっしょに草原で草を食べていました

 

「鹿君、もし獅子が来たらお互いの力を合わせて勇敢に戦おうじゃないか。力を合わせればヘラクレスにも勝てるという言葉もある」

 牛は鹿にいました。

「残念だが、私は逃げるよ」

 鹿は牛に言いました。

 

「牛君、私は一人でも逃げることが出来る、君がいれば、君がおそわれている間に逃げればいい。ヘラクレスは本の中の住人だから私だけでも勝てる。だが目の前の獅子には力を合わせても勝てないだろう」

 鹿は牛にそう言ったのでした。

 

聞き伝える昔の話でございます

 

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美智子皇后も読んだという名作集から。

記憶となんか違うと言われそうですが。

このブログは珍しいもので出来てるんですよ。

誰も検索しないものだらけですが。

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。