怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

詩会「売春処女プアプアが家庭的アイウエオを行う」鈴木志郎康

詩会「売春処女プアプアが家庭的アイウエオを行う」鈴木志郎康

 

先ずは妻が歩いている

股さかれて

気がふれているのかバスセンターよ(註1)

髪毛は夏向きにショートカットする

ズボンもショートカットする

男根もショートカットすればいいわ

それでは詩はせめてロングロング

 

今ここにカットされる妻の首

これがねらいだったのね、結婚のねらいね

廊下は生えてきた無数の乳房のために足音がしない(註2)

ああ、恒常的に衛生的にみがかれた妻の乳房は黙々と生えてくる

ねじれてる

嫉妬してる

妻は手術台の上に売春処女プアプアを固定する

黙々と家内が処女生殖器を大陰唇少陰唇処女膜から

 左右卵巣と手ぎわよくカットしていきます アーアー 只今マイクテスト中

ゴム製手袋がそれら貴重な小片を握り矢印の鍋の中に詩と共に血と共に

泣かせるじゃないの

家庭では正に嫉妬が原則なのであって

ひとり観覧席では老処女キキが喜びの歓声をリズミングして

老処女は妻と脚を振り上げて四角ダンスする

だが切断された妻の首はコロンコロコロと床に泣く

お腹の子供をどうするの

 

遠方より私はたちまち駆けつけ

既に掌の中に咲いている花

女のすみれ

プアプアの生殖器はすでに乾いてしまっているので

 詩と共に博物館に送ろう

これが、あれ、その、革命にならなかった娘の、

 子供を生まなかった娘の、男根を知らなかった娘の

えぐりとられた穴

この暗黒に希望を読めるものがいるか

私には希望のことがどうもうまくいえない

転勤希望にしても(註3)性交希望にしても

あらゆる希望が隔壁の内側で暗黒に流れ去ってしまう(註4)

欲望。それが問題だ。(註5)

屍体が沢山あります

ひとつの屍体は黒こげで顔もつぶれている

ひとつの屍体には手も足も首もない

これはいつかの私だ

うまく勝利できるだろうか

ともかくも欲望はショートしてくる

私は妻のふとももを縦にぐいと拡げて

舌で欲望を発電する

電圧が低くて暗いなあ(註6)

私は私の不明迷妄を誇りとする

こうして家庭は維持されているのだが

女房たちよ、現在売春は何故禁じられているか知っているか

家庭的性交は媚薬と実益をかねそなえている

売春を達観したプアプアちゃんはえらいね

堂々といらっしゃい

家庭に於いて私は私自身の男根を私自身の手で

 確実につまんでつまんでプア プアちゃんの暗黒の中に

私自らの感覚で探検する

老処女キキは成り行きをバフバフと見てる

妻の衛生的オッパイは身をねじる

嫉妬する

暗黒に向かって私は腰に力を入れる

私は屁をひる

老処女キキの笑いだけの群生

 

お望みとあればステンレスの流し台をキラキラとみがこう

だがしかし、私はプアプアに確実に金を払う

プアプアちゃんは御飯を食べる

プアプアちゃん又来てね

話す言葉の裏側に熱い泪がある

「あなた」

私は私の方寸を抱きとめる

かたわらでは、老処女キキと妻の首は横体に並んで

 忙しく手淫している

今正面から昇るカラハリの太陽にぬくもろう

妻よ

お前の手はつめたい

お前の鼻先きはつめたい

それは正に合法的老処女キキに嚙られた部分だ

衛生的なる合法的なる人生的なる

我が妻の首の欠如した屍体は

早朝

食卓の白い皿の上に

光る

 

 

註1 広島市基町にある。各方面行きのバスが入り乱れる。

   日常、私はここを利用しない。

註2 バスセンターのコンクリートの床はいつもぬれていて

   つるつるする

註3 私は毎年東京へ転勤希望を表明するが、聞き入れられず

   遂に四年が過ぎた。

註4 私はこのところ毎日脱糞に困難を感じる。

註5 私の詩について述べた大岡信氏の文章の一節。

   氏は私が欲望から逃げ廻っていると非難している。

註6 終戦直後の思い出。

註7 カラハリ砂漠のあるベチュアナランドは

   この(一九六六年)九月に独立するという。

 

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詩らしい詩かもしれないですね。

この詩よりも直接的で長い詩はたくさんあります。

思う所があったなら、児童詩を買いましょう。

物足りなかったら。

うぇるかむあんだーぐらんど

 

この意味を知る者は良い年…

この詩の言葉の使い方は国語的使い方ではありません。

創造の自由ですね。詩的言語と言うのでしょうか。

例に聖闘士セイヤ(セイントセイヤ)が最初に浮かんだのは都市伝説