怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「死体のり」(小泉八雲より)

  伝聞昔話「死体のり」

 

 体はつめたく、心臓は止まり、硬くなった体がその女が死んでいることを伝えていました。

 家に女の死体がありました。

 男にうらぎられた恨みで死んだ女です。

 だれも埋葬しようと言いませんでした。

 女は死体であるという体でしたが、その体には男へふくしゅうする力が満ちていると思わせる迫力があったのです。

 

 もし埋めても自力で出てくるでしょう。

 そう思ったので誰も埋めませんでした。

 女が死んだ時、男は旅に出ていました。

 

 男は話を聞き、日暮れまでになんとかしないと女は男を殺すだろうと思いました。

 男は陰陽師に相談しました。

 陰陽師は男を待っていました。

 

 その女の禍々しい妖気は陰陽師にまで届いたのです。

 そして、この問題の解決には男の力が必要だったのです。

「この問題を解決するには、お前さんはとても恐ろしい思いをするだろう。だがやりとげなくてはならない。覚悟しなさい」

 陰陽師は男に言いました。

 男はふるえながらうなずきました。

 

 男と陰陽師は日の暮れたころ女の死体のある家に行きました。

 まっくらでしたが、不思議と女がどこにいるか、どのような姿かはっきりと分かりました。

 

 男はふるえて動けなくなりました。

 陰陽師が動かない男を押しながら女の死体に近づきました。

 

「死体にまたがり、髪をしっかりつかみなさい。半分は右手で、半分は左手で」

 陰陽師は男に言いました。

「とても無理です」

「なら食われるがいいでしょう」

 男が泣きそうな声で言うと、陰陽師は冷たく答えたのでした。

 

 男は覚悟を決め、言われたとおりに、女の死体にまたがってのり、髪を両手にまきつけてつかんだのでした。

 陰陽師は男が女にまたがったのを確認すると、呪文を唱え祈りました。

「では明日の朝迎えにこよう」

 陰陽師はそう言うと家から出ていきました。

 

 男がふるえながら死体にまたがっていましたが、がまんできずに叫びました。

 すると死体が起き上がったのです。

 

「なんかおもいな」

 女は言いました。

「なぜか体が重い、あの男をここに連れてこなくては」

 女はそう言うと男をのせて走り出したのです。

 

「どこだ、どこだ」

 女は叫びます。

 男はおそろしくてたまりません。

 男は目を閉じて必死につかまっていました。

 

 女の裸足の足音と荒い息が男の心をけずっていきました。

 そして、女は家に戻ると、最初と同じように伏せたのでした。

 それは、にわとりの声が聞こえたころです。

 

 陰陽師がやってきました。

「これで、すべてうまくいった。もう、ふくしゅうはされないだろう」

 陰陽はそう言うと、呪文を唱え祈ったのでした。

 

 不道徳と言える話ですが、男にも陰陽師にも罰がありません。

 男は陰陽師に感謝したと話が終わります。

 男の孫も、陰陽師の孫も大宿直村に暮らすと書かれています。

 この大宿直村も名前が変わったのでしょう。

 地名辞典にのっていませんでした。

 

 聞き伝える昔の話でございます

 

 

小泉八雲さんより、

コープスライダーという題が付いています。

 

次の仮面ライダーはこれだね。

イグアナに乗ったんだ、FFみたいに女性の死体に乗ろう。

女性をナンパして、その女性が怪人に殺される。

恨みのこもったその死体に乗って戦う。

使っていいですよ。

腹抱えて見ます。

 

小泉八雲さんは海外へ伝えるために注釈や感想が付いています。

そこが楽しいと思ったので、それを入れて書きました。

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。