怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「竜宮の乙女(浦島太郎)」(小泉八雲より)

  伝聞昔話「竜宮の乙女」

 

 

 それは、四百七十九年の話でございます。

 今の神奈川県あたりの住之江の岸から浦島太郎という漁師が漁に出ました。

 それは夏の日でした。

 浦島太郎は亀を釣りました。

「亀は海の竜王様の使いとされて、千年も万年も生きるという。亀を殺したら良いことはないだろう」

 浦島太郎はそう言うと、亀を放したのでした。

 その日は、亀を放したのに良いことはなく、亀以外釣れませんでした。

 

「亀が危ないと伝えたかな」

 浦島太郎はそう言うと、舟の中で眠ったのでした。

「もしもし」

 浦島太郎を呼ぶ声がしました。

 

 浦島太郎がその声で目をさますと、まるでチェンバレン教授の「浦島」に描かれているような、その当時のお姫様の格好をした足まで届く髪をした乙女が海の上に立っていました。

「私は竜王の娘でございます。あなた様の優しさに父は感動し、もてなしたいと言うので、私があなた様を迎えにきたのです」

 乙女は浦島太郎に言いました。

 浦島太郎がその乙女の美しさに見惚れていると、

「もしお望みなら私をあなた様の妻にしていただきたいのです。共に常夏の島で暮らして欲しいのです」

 乙女はとてもうれしいこと言ったのでした。

 

 浦島太郎の舟は舵のない櫂で動かす舟でした。

 皆さんにはその舟の形はなじみがなく、その舟で漁をするのは奇妙に思われるかもしれませんが、日本にはそのような舟が今も昔もあります。

 櫂で動かす舟でしたので、一方は浦島太郎が、もう一方は乙女が、仲良く南へ南へとこいだのでした。

 

 そして、二人は常夏の島に着きました。

 その島には竜宮城がありました。

 その竜宮城で浦島太郎と乙女は結婚したのでした。

 浦島太郎は海の珍味や、常夏の美しさや風や海を乙女と楽しみました。

 

 三年たちました。

 浦島太郎は残してきた親のことを考えることが増えてきました。

 浦島太郎は親に結婚したことを伝えるために一度家に帰ることにしました。

 

「あなた様が親の心配をなさるのは当然です。小箱をお渡しします。中身はお伝え出来ませんが、絶対に開けてはなりません。それを守れば帰る助けとなります。ですから、それだけお守りください」

 乙女はそう言うと、浦島太郎に漆塗りの絹の糸が結ばれた箱を渡したのでした。

 

(その箱は、神奈川県の海沿いにある寺で見ることが出来ます。その寺には浦島太郎の釣り竿や、竜宮城から持ち帰った宝も見ることが出来るのです)

 

 浦島太郎は箱を絶対に開けないと約束をして、家に帰りました。

 永遠に眠っている海にふりそそぐ太陽の陽射しをぬけ、見覚えのある景色が目に入ってきました。

 浦島太郎は見たことのある入江に着きましたが、家などがまるで見たことがありません。

 

 浦島太郎は考え、長者の家を目指しました。

 形は変わっていましたが、長者の家のあった所には大きな家がありました。

 浦島太郎はそこで四百年の時がたったことを知ったのでした。

 浦島太郎は浜に戻り途方にくれました。

 

 そして、箱の中に何かあるかもしれないと思いました。

 

 箱を開けました。

 

 箱には何もなく、ただ煙が出てきただけでした。

 その煙をながめ、浦島太郎は取り返しのつかないことになったの知りました。

「私はもう竜宮城に帰れない。なんと愚かなのだろう」

 浦島太郎はそう言うと、四百年の時を自分の体に受け入れ、倒れたのでした。

 

 聞き伝える昔の話でございます

 

 

 

 

小泉八雲さんより、

海外用の説明をメインに取りあげています。

細かい描写はカットしました。

(ちょっと意訳した部分の説明を書きました)

 

元にあった住之江の岸からという表現です。

住之江と検索すれば大阪の競艇場が出ます。

ただ、住之江は澄んだ入江という意味です。

地名にも使われている言葉です、

で、澄んだ入江として判断しました。

 

理由は後半で神奈川県の寺の記述があるからです。

住之江ってだけで大阪をイメージする西洋人はいないでしょうと判断しました。

小泉八雲さんがただ雑という意見は聞かない。

 

うきよのおはなしで紹介された浦島太郎の亜種ですね。

こちらも竜宮城が海にありません。

 

kihiminhamame.hatenablog.c

 

 

竜宮城は海の中じゃない。

これがグローバルスタンダードなのか?

 

小泉八雲のは情報が細かいです。

というか物語の世界に入り込めないぐらい説明が多いです。

そこが面白いと思い択びました。

 

蓬莱とかほぼ感想ですからね。

話の途中につっこみいれまくり。

再話文学としてどうなの?

 

小泉八雲は蓬莱とかないからとか言います。

そこまでは言ってませんが、

蓬莱には宝がなく、常夏の国のようなだと言います。

宝のない蓬莱って行く価値がないじゃないですか。

嫌なことあったのかな?

 

野暮じゃないですかね?

それ言ったら再話はだめでしょう。

絶対に書きますけどね。

 

この話では神奈川県と明示され、宝が寺にあると言います。

1416年前と書かれていたのですが、

1895から1416を引いた479年に変えました。

 

あと面白いこと書いてありますね。

宝があると。

宝持って帰ってきたのかい。

画像欲しかったから検索したけど見つからなかった。

 

元だと帰ってきた浦島太郎さんは、400年前に浦島太郎が海で行方不明になったことは、皆が知っていると言われて自分が400年後に戻ってきたと知ります。

 

いやいや、浦島太郎さん地主ですか?そんな話も墓も残らないでしょう。

そこは変えました。

ラストは変えてません。

怖いですね。400年一気にくるって。

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。