怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「イリセートサットの怪物」(小泉八雲より)

  伝聞昔話「イリセートサットの怪物」

 

 

 そこは神々が最後の仕上げを忘れた地域です。

 そこでは黒い海と鉛色の霧以外は、全ての物が白かったのです。

 そこは陸と海の境目があいまいでした。

 

 氷の頂は太さを気ままに変え、気ままに動き、絶滅した生き物の記録のように不気味に形を変えたのでした。

 満月になると、死んだ魚を食べる犬たちが海に向かって遠吠えをします。

 大熊たちがその犬たちに鋭くとがった白い岩を投げるのです。

 そのような情景の中に、赤い炎の間から山がそびえたっており、この世の始まりから燃え続けている炎の泉があるのです。

 

 その光景も冬になれば変わります。

 冬になると氷のうめき声、風の悲鳴、浮氷の歯ぎしりだけになるのです。

 そのような地に住む人々は、氷で作られた家で暮らし、海の動物の油を燃やしたランプを灯し、野生の犬たちと暮らすのです。

 

 そこにはハヴェストラムという、古代の氷のような緑色の両腕のない緑色の人の形をした恐ろしい怪物がいました。

 マージャイジという、人が住む氷の下から叫び声をあげる女の怪物もいます。

 氷柱の牙を持つ熊や、カヤックを黒い海に引きずり込む氷山の妖精がいました。

 

 魚の鱗よりも薄い氷を進む象牙採りの幽霊や、夜迷った者を笑い、殺す白い亡霊。追いかけてはならない白い眼の鹿がいるのです。

 

 そのような場所にイリセートサットがいます。

 イリセートサットはテュピレックという、言葉では表現できない怪物を生み出します。

 イリセートサットの住む場所には人間が誕生する前に絶滅した生き物や、海や陸の怪物の骨があり、その骨が山になっているのでした。

 

 その骨を手に入れるために、南国から象牙採りが犬と共にやってきます。

「まさに宝の山だが、宝の代金にふさわしい危険がある」

 象牙採りは白い地表から見える大きな白い歯や牙を見て言いました。

「いそげ、怪物が来るぞ」

 象牙採りたちは浅く埋まっている歯や牙を手早く掘り出していきます。

 

 イリセートサットたちはその姿を見ていました。

 イリセートサットたちは大きな牙に歯、沢山の動物の心臓と脳みそを鯨の革で包み、不思議な呪文を唱えテュピレックを生み出しました。

 

 そのテュピレックは、何本もある手足、いくつもの目、沢山の歯を持っていました。

 そして、テュピレックは目の前にある物を貪り食いながら象牙採りたちに近づいてきました。

「またまたすごい見た目だな」

 仕事を終えた象牙採りは逃げながら言いました。

「欲をかくとあの怪物の餌になるのだな。宝はいつも恐ろしい怪物が守っている」

 象牙採りたちは恐ろしい姿のテュピレックを見て生きている幸福を喜んだのでした。

 

 聞き伝える昔の話でございます

 

 

小泉八雲より。

これはどこの話でしょうかね?

 

まったく関係ありませんが、

NHKFM横浜のJAZZライブ行きました。

首都圏の魅力に放送局の無料のイベントの多さがあります。

まれのときは清水富美加さんがよく横浜でイベントやってた気がします。

まれ代表で横浜で始球式やった気がします。

 

NHK横浜局は神奈川芸術劇場の中にあり、

月に1回ぐらい無料公開イベントがあります。

横浜サウンドクルーズの1時間の無料のJAZZライブは出てくる人が実力者なので、

横浜の魅力の一つと言っていいと思います。

 

無料で1時間なので、合わなくても平気です。

 

今回は

五十嵐明要・原田忠幸クインテットデューク・エリントンの名曲をかっこ良い演奏で聴かせてくれました。

五十嵐明要さんがアルトサックス、原田忠幸さんがバリトンサックス、須藤俊也さんがピアノ、谷口正彦さんがベース、山下暢彦さんがドラムでした。

 

五十嵐さんが86歳で原田さんが82歳です。

これがかっこいんですよね。

演奏がすごい、ただすごい。(小学生のような感想)

あと10000年位現役でいられそうなくらいかっこいい。

そんな人がたくさんいるのがJAZZのすごさですね。

なので、かっこいい人生の先輩を見られるのがJAZZの醍醐味ですね。

 

pid.nhk.or.jp

7月はないのです。

A列車で行こう

A列車で行こう

 

 

 

わざわざこのブログに来て下さったあなたを、私は大切に思います。  

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。