詩会「洗面器」金子光晴
詩会「洗面器」金子光晴
(僕は長年のあひだ、洗面器というふうつはは、僕たちが顔や手を洗ふのに湯、水を入れるものばかりと思つてゐた。ところが、爪哇人たちは、それに羊や、魚や、鶏や果実などを煮込んだカレー汁をなみなみとたたへて、花咲く合歓木の木陰でお客を待つてゐるし、その同じ洗面器またがつて広東の女たちは、ひょうかくの目の前で不浄をきよめ、しやぼりしやぼりとさびしい音を立てて尿をする。)
洗面器のなかの
さびしい音よ。
くれゆく岬の
雨の碇泊。
ゆれて、
傾いて、
疲れたこころに
いつまでもはなれぬひびきよ。
人の生のつづくかぎり。
耳よ。おぬしは聴くべし。
洗面器のなかの
音のさびしさを。
女へんに票でひょうで客と合わせて、
遊郭などの客を表す、
ひょうかくなのですが、
漢字が出てこない…
Twitterとやらを試験的にいじってるんですが。
始めて二日目に東京都の千代田区のマカーさんから不正アクセスの疑いありと通知。
Twitterこわい。
千代田区怖い。
わざわざこのブログに来て下さったあなたを、私は大切に思います。