怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

日光金谷ホテル

今年の5月の話です。

水曜日の日光は定休日のお店が多く、人の数も少なく落ち着いていました。

日光は山の落ちついている空気が似合う街ですので、お目当ての店がなければ水曜日は落ち着いているので分かっていれば選択肢としていいと思います。

 

日光金谷ホテルには私の伯父さんが最後の旅行の場所にと希望したので、伯父さんと親戚数人で行きました。

 

日光金谷ホテルは歴史のあるホテルです。山を持っており、ホテルから出なくても旅行を楽しめるようにできています。

ホテルの中には様々な調度品や装飾があり、ホテルがまるで美術館のようになっています。

 

なので、体が弱っていてどこにも行けない伯父さんにはぴったりだったのではないかなと思います。

体はかなり弱っており、体重も軽く、水分を軽く取ることしかできない体になっていました。

伯父さんが最後に食べた食事はコンソメスープです。

水分しか取れない伯父さんが取れた食事はコンソメスープだけでした。

 

そのコンソメスープは歴史を感じる複雑でしっかりとした味でした。

選択肢が極端に少なくなった伯父さんには最適といえる食事だったかなと思います。

美術館のようなホテルですので、メインダイニングにも美しい装飾がありました。

 

伯父さんの最後の旅行は、2時ごろに金谷ホテルに着き、翌日の11時ごろに病院に戻るというものでした。

 

そして、数週間後に伯父さんはあの世へと旅立ったのでした。

 

 

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