怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

「河童の姿」

「河童の姿」

 

 

私は河童の姿を見たという老人に話を聞くためにある町まで行きました。

老人の家は寂しい所にあり、人よりも妖怪の方が多そうだなと思いました。

老人に話を聞くと、

「河童な、テレビ見てて思ったんだ。水泳の池江って女の子いるだろう。あの泳ぎの速い子。あの子にそっくりな河童を見たんだ」

老人から池江さんの話と、お爺さんの奥さんが池江さんにそっくりでいい女だったという話を5時間ほど聞きました。

帰り路、ふと、

「池江さんが河童にそっくり、まさかね、いやいや」という言葉が口から出ました。

そして、ある考えが浮かび、老人の家に戻りました。老人の家は最初から何もなかったように消えてしまっていました。

「河童に化かされたかな」家のあった所に湯のみが一つあったので、私はその湯のみをお土産に持って帰ったのでした。

 

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文体診断ロゴーン

海野十三さん、佐高信さん、麻生太郎さん。

 

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