怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

「ハローさん」

「ハローさん」

 

 

友人とハローさんという降霊術をやることになりました。

やり方は、赤い糸を巻き付けたパンに赤ワインを染み込ませて、そのパンをぬいぐるみに入れるのです。

甦らせたい人がいればその人の体の一部を入れたら甦るそうです。

甦るのならそれを軸にして本人になるのかと聞いたら、秘密と答えが返ってきました。

人形は友人が用意しました。

最初に黄昏時に人形を人のいない部屋置きます。人形に名前を付けて、部屋から出る時に名前を呼んで部屋から出ます。部屋がなければ箱でもいいそうです。箱の場合は名前を呼んでから閉めればいいと言っていました。

みかちゃん、またね」友人はそう言いました。そして、私たちは友人の部屋を出ました。なぜみかなのかと聞いたら、あいつ嫌いだからと答えました。

暗くなり部屋に戻ると人形が元居た場所にいませんでした。私たちは人形が窓から出ていくのを見ました。

「とじこめた」友人はそう言いました。お腹が空いたので一緒に夕飯を食べました。

私は人形がカッターか何かを持っていた気がしたので、そこが気になりました。

帰り道で落ちているカッターを見つけました。離れたところにあの人形がいました。

「こんなのいらない、たらない」人形は私に言い、どこかへ行ってしまいました。

次の日学校に行くと、男子生徒が自宅の包丁で何回も刺されたそうです。不思議な点が多いのですが、自分で刺したのではないかという話もあるそうです。

みかはその話を楽しそうに聞いていました。

 

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文体診断ロゴーン

森鴎外さん、宮沢賢治さん、阿刀田高さん。

 

わざわざこのブログに来て下さった貴方を私は勝手に大切に思います。