怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「うつぼ舟」(楽しい民話)

  伝聞昔話「うつぼ舟」

 

 

 ぷぅ

 たった一つのおなら。

 それが彼女の運命を変えた。

「主人の前でおならをするなどけしからん」

 オユキはおならをしたから主人にうつぼ舟に入れられ、海に流されたのだ。

 捨てる神あれば拾う神ありというように、海はオユキを見捨てなかった。

 海は優しく気候の良い島までオユキを運んだ。

 オユキとお腹の子を運んだのである。

 島には一人の髪の短い女がいた。

 その女は海の神に仕えている女でカシナと言う名で、オユキのお産を助け、生活を助けた。

 オユキには美しい男の子と女の子が生まれた。

 男の子はトキチ。女の子はヒナと名付けた。

 二人が成長するとカシナは二人にナスの種を渡した。

「この種のナスを育てれば黄金の実がなるといいなさい。お父さんに会えるでしょう」

 カシナはそう言うと二人をうつぼ舟に入れて海へと流したのだった。

 不思議なナス

 素敵なナス

 実は黄金でできている

 一粒千両

 二粒二千両

 はぁそれそれ

 不思議なナス

 素敵なナス

 実は黄金でできている

 一粒千両

 二粒二千両

 はぁそれそれ

 二人は歌いながら歩いた。

 二人はカシナの言う通りにしたのだが、会う人は興味を持たずにただ笑うだけである。

 二人が困っていると、一人の男が声をかけた。

「本当に黄金の実がなるのか?」

 男は聞いた。

「はい。このナスは屁をひらない女が育てたナスです。だから黄金の実がなります」

 トキチが答えた。

「屁をひらぬ女がいるわけがない」

 男は怒った。

「あなたが追い出した私たちのお母さまは屁をひったと家を追い出されました」

 ヒナが言い返した。

 その時にこのひたりが自分の子であり、自分が過ちを犯したことに気づいた。

 男は深く反省して、二人に謝った。

「お母さまは海の神様の妻となり、私たちは海の神様の所で暮らします」

 トキチはそう言うと、ヒナとうつぼ舟に入り、海の底へと沈んでいったという。

 男は二人を追いかけ、二人から渡された種を握りしめ、沈んでいくうつぼ舟をただ眺めていたのだった。

 

コスチューム 天然ボケなすちゃん 男女兼用 身長155~180cm

 

屁をひらない女の育てたナスは黄金になるという話もあるそうですが、

その女性は人じゃないですね。

 

うつぼ舟だと海外にすごいこった話が有って、

その話だと魔女の子に親切をした男が魔法の力をもらって、

王様になるという話があります。

竹取物語などかなりこった話はすごく昔からあるんですよね。

 

今昔物語にも竹取物語の話がありますが、

求婚者への試練がかなり簡略されています。

 

わざわざこのブログに来て下さったあなたを、私は大切に思います。  

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。