怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

昔話解体新書「救う者の物語」

昔話解体新書「救う者の物語」

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浦島太郎に、つる女房に魚女房。

物語には救う者が主役の話がたくさんあります。

3ステップで解体新書してみましょう。

 

救う者は一般人 

英雄とは何が違うか、それは大きな敵がいません。

ですから物語は普通の人が何かを救う所から始まります。

浦島太郎もつる女房の主人公も宇治拾遺物語に出てくる亀を救う少年も、

みな普通の人です。

 

問題も大きくないことが多いです。

罠だったり、小遣いで買い取ったり。

 

普通の人が優しさで救うのです。

貧乏が多いですかね。

なので、救うのにお金を使ってしまい買う者が買えなくて、

後悔したり、怒られたりします。

笠地蔵はお婆さんに褒められるのがとても優しくていいですね。

 

救われたらお返し

救われたら恩返しです。

亀は浦島太郎を竜宮城まで運び、白蛇だと乙姫さんだったりで、

竜宮城に招待してくれます。

亀じゃなくて鮫が竜宮城へ運ぶというパターンもあります。

「指輪と蛇と犬と猫」だと救った蛇は竜宮の姫で、幸運になる指輪をくれます。

 

鶴は織物ですね。

救う動物によってはいい奥さんになるだけという話もあります。

笠地蔵は正月のご馳走プラスアルファです。

 

天狗のお使いをして幸運になるという話もあります。

お使いも助けると言っていいと思います。

 

あと座頭の木という話だと、

舟渡が座頭の死体を丁寧に葬ったお礼として、

座頭を埋めた所から不思議な木が生えます。

 

宮沢賢治のどんぐりと山猫は

裁判の判事を頼まれて、最後にどんぐりの入った升と名誉判事という称号をもらいます。

話は大きくなくてもいいのです。

 

恩返しと警告

恩返しには警告がつきます。

落語の必ず当たる富くじと同じで、この警告は破るためにあります。

 

つる女房や魚女房などは何々している所を見るなです。

 

魚女房は猟師が助けた魚が女房となり、漁が上手くいくアドバイスをします。

魚女房は警告します。

風呂をのぞくな。

女性ですからね、というわけじゃなく、魚に戻るからです。

 

警告を破ると罰を受けます。

救ったのにね。

なので罠話という人もいます。

なぜか、

警告と罰はセットだからです。

ただ罰を欲の深い違う人が受ける話もあります。

 

で、 

  • 普通の人が何かを救う
  • 恩返しをしてもらう
  • 恩返しの内容では警告が付き、その罰が当たる
となります。

 

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