怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

自由記述帖

140字小説「田作りの次郎長」

140字小説「田作りの次郎長」 暇だったので田作りの向きを揃えてやる。皆バラバラでは悲しかろうと思ったのだ。ヒレがかけているやつには補助するものをそばに置く。頑張れよと声をかける。 食べるのですがね。目付きが悪いものは次郎長と名付け反対を向…

怪談「夜道の同行者」

怪談「夜道の同行者」 暗い暗い、夜道を歩いていると、帰り道を一緒にしようとする者たちがいます。 送り狼という妖怪がいます。その妖怪は夜道を歩いていると、 「帰り道を送ってやろう。もしこけたら食べてやろう」 そう言ってついてきます。 転ばなければ…

怪談「漆の箱」

怪談「漆の箱」 それは蒸し暑い夜中の話です。 男は変なものを見ました。それは人に見えるのですが、何かがおかしいのです。着物を着たおかっぱ頭の女のようなものが、漆の箱を持って、ゆらんゆらん、ふらんふらんと歩いています。 そのものは男に近づいてき…

140字小説「ちか(生)」

140字小説「ちか(生)」 ちか(生)をスーパーで買った。寒かろと金の衣をつけてやる。簡単に言えば天ぷらにする。あちあちと音を立てて、野暮ったい衣が美しい金の衣に変わっていく。 スープに泳がせて食べれば、ちか(生)は往生するだろう。西方浄土…

怪談「提灯」

怪談「提灯」 たそがれ時はいつもぼんやりしています。 昼と夜が混ざり合って、夜になっていくので、たそがれ時はいつもぼんやりとしているのです。 人でない、動物でないものはお日さまが苦手ですから、たそがれ時にやってきて夜にかっぱつに動きます。ゆら…

自由記述帖「天使の教会」

自由記述帖「天使の教会」 山の上に教会がありました。 山の下にある町はとてもにぎやかでしたが、山の上にある教会はとても静かでした。 今はだれもいない教会に悪魔の少女が素足をぺたぺたと入っていきました。 誰もいない礼拝堂、天使の少女が蜘蛛の巣で…

自由記述帖「金魚草尼」

自由記述帖「金魚草尼」 五人のお坊様が同じ夢を見ました。 その夢は地面が光っている夢でした。 五人のお坊様は夢でみた場所に集まりました。 五人は力を合わせその場所をほったのです。 その場所にはひつぎが埋まっていました。 ひつぎの中には美しい尼様…

140字怪談「たぬき」

140字怪談「たぬき」 山で一休みしていると、狸が一匹やってきた。 「カチカチ山など下らない話のために、狸の地位が低下している」 狸は私にそう言った。 「狸の地位を上げる運動に加わってもらいたいのだ」 狸はそう言うと、木の葉と半分の油揚げを私に…

140字怪談「月食」今晩7/28の4時半に皆既月食です。

140字怪談「月食」 月食の日に猫の戦争があると聞いたので、猫の戦争を止めるために削り節を持って散歩に出かけた。 月食が始まるころ、猫達が公園に集まってきた。猫たちは二手に分かれた。そして、牛乳派とヨーグルト派に分かれて議論を始めた。 削り節…

140字小説「なま女房と化け猫」

140字小説「なま女房と化け猫」 なま女房の仕事は化け猫の世話でした。「化け猫さん、顔に毛が生えていると情が薄いとは本当ですか」化け猫は女房の顔じっとみる。「女房さんもうっすら顔に毛が生えています」 化け猫がいいます。「化け猫さんは今日ご飯…

140字小説「彼女の右足」

140字小説「彼女の右足」 好きな子がいた。その子とは縁がないらしく、どう頑張っても結ばれない。 あまりにも可哀想だというので、その子の右足をもらった。 足ならば一緒に出かけることが出来るという優しさらしい。 その足はよく食べ、よく飲み、よく…

140字怪談「みのむし」

140字怪談「みのむし」 蓑虫は鬼の子です。鬼に捨てられた哀れな子です。 人食う親の罪なのか、人食う蓑虫の明日の罪なのか。 哀れな衣を着て人を見るとヒトクサイヒトクサイと鳴きます。 もしヒトクサイヒトクサイと鳴く蓑虫をみたら潰しましょう。 鬼に…

140字怪談「らじお」

140字怪談「らじお」 私はラジオが好きです。 その日は夜中までラジオを聞いていました。 眠くなったのでラジオを消して寝ようと思い消しました。 ラジオは消えませんでした。 故障かなと思ったら「8月3日」そう言うとラジオはははははと笑ったのです。…

140字小説「横綱」

140字小説「横綱」 横綱の趣味は川に行くことです。 子供だった時、少年相撲で優勝しました。その次の日に小さな河童の子に相撲で投げられたのです。 横綱になったらまた相撲をしよう、河童は言いました。 川に行くと叫びます。横綱になったぞと。そして…

140字怪談「まがいもの」

140字怪談「まがいもの」 山には河童がいる。山には天狗がいる。 どちらも山の神である。 たまに山を歩いていると、甲羅を背負った鳥みたいな河童にも天狗にもなれなかった奴をみることがある。 神になれなかったのだ。 目を合わせるとおまえおまえと叫ぶ…

140字怪談「お狐様」

140字怪談「お狐様」 山にある寺で狐にあった。 「昔は酒に厚揚げがおいしかった。ねぎをかけたら竹虎。 大根おろしで雪虎となる。ただ飽きてきた」 狐は哀れな声で言う。 「チーズケーキは良いな、あれなら百年後も悪くならないだろう」 狐はそう言うと…

140字小説「生まれ変わったらベンガルでした」

140字小説「生まれ変わったらベンガル猫でした」 あの日は嫌な天気だった。 トラックがふってきたのだ。 雨のようにトラックがふってきた。 そして私は猫に生まれ変わった。 美しいベンガルだ。私はまるくなって寝た。 起きると、サバトラが寄ってきた。 …

140字怪談「電柱」

140字怪談「電柱」 電柱1本植えると、化け物10匹いなくなります。 10本で100匹がいなくなるのです。 化け物のいない国のために、電柱はたくさん植えられました。 化け物も数が少なくなりました。 河童もだいぶ減りました。 いつからでしょうか。 …

140字小説「地獄日記」

「地獄日記」 紫式部は地獄に落ちました。 二枚舌の作家は地獄で暮らすのです。 あの人も地獄でしょう。 政治家も夢物語すら語りませんが地獄でしょう。 そんなことを考えていたら、 猫が飯だと言いました。 にゃあが欠伸に負けました。 猫とのんびり天国も…

140字小説「往生伝」

「往生伝」 往生伝によると、ずっと極楽の方を向けば、 極楽に行けるという。 その僧は体をひねり極楽から一時も目を離さなかったという。 ずっと見つめればいつか届くのだろうか。 ずっと見つめるとはどういうことか。 飯をくれと鳴き手をふる猫を見て、 そ…

140字小説「兎さんと亀さん」

140字小説「兎さんと亀さん」 兎は駆けくらべに勝った亀に行った。「私は警官で、昨日も犯罪者に付き合って徹夜だった。疲れているのを知っていたのでしょう」兎は亀を非難した。「君の相棒は僕の親せきで、一晩中寝ていたと言っていたよ」亀は兎を非難し…

140字小説「猟犬」

「猟犬」 その猟犬は良い猟犬だった。 猟師のために、 獲物を狩りだし、格闘し、回収をした。 ある日、山で猟犬はまがいものを見た 猟犬は迷わず逃げた、その姿を見た猟師は犬を全力で追いかけた。 犬の通った道は安全である。 獲物にならないわけのわからな…

自由記述帖「又鬼(またぎ)」

自由記述帖「又鬼(またぎ)」 ニロクという名の腕の良いマタギがいました。 そのニロクが家で酒を飲んでいると、女が家に入ってきたのです。 その女はとても背が高く、青い目で、生きた花が咲いた着物を着ていました。 ニロクはこれは面倒なのが来たと思い…

140字小説「天ぷらそば」

「天ぷらそば」 天蕎麦の天ぷらは衣が厚くなければならぬ。 蕎麦のつゆに負けない、 衣のしっかりとした天ぷらが天そばには必要である。

140字小説「盗人坊主」

「盗人坊主」 ある坊主が盗み食いをした。怒った仏は罰を与えた。盗み食いした物が鼻から出るという罰を。

自由記述帖「日光金谷ホテル、コンソメスープ」

お題「思い出の味」 自由記述帖 「日光金谷ホテル、コンソメスープ」 名前の通りに、日光にある、日光金谷ホテルでの夕食に出たコンソメスープには筍が美しい琥珀色のスープに入っていて、複雑でしっかりとした伝統と格式を感じる味のコンソメスープでした …

140字小説「平茸坊主」

「平茸坊主」 生臭坊主は平茸になるという。 だから平茸はたいしたことのない食物だと。

140字小説「座敷童」

「座敷わらし」 座敷童は座敷童集である。 子供達が五人で遊んでいた。 ふと気が付くと、六人いる。

140字小説「化け猫」

「化け猫」 猫が年を重ねると化け猫になる。 しっぽが二つにふえて怪しげな術を使う。 そして仕返し帳に書いた相手に復讐をする。

140字小説「怪談」

「怪談作家」 怪談作家がいた。 怪談作家の家に近所に住む少年がたずねてきた。 「怪談作家ですから夜が好きですか」