140字怪談
今週のお題「ハロウィン」 140字小説「ハロウィンのお客様」 ハロウィンの日、お菓子を用意して待っていますと書いた看板を用意する。 すると、トリックオアトリート!と子どもに化けた狐、狸、猫がやってくるという。 だからハロウィンのお菓子はバター…
140字小説「猫のおもてなし」 私は家の前に立っていました。そこの家には金の文字で、「猫のおもてなし」と書いてあったのです。私が入ると、飼い猫のトコがいました。 「おいしいキャットフードです」トコは言いました。私がそれを無言で見ていると、「…
140字怪談「五人天狗」 山を歩くと細長い人が歩いていた。そんなふらふらしていると手で押してしまうぞと言うと、その人みたいなものは五匹の狸になって山の奥へと入っていった。 そして、お許しをといって3枚の木の葉が私の足元に置かれていた。 意味が…
140字怪談「付喪神」 付喪神という物に魂の宿った神様がいる。基本は復讐する神だが、様々な物があり、当然その物の中には名人の使った楽器もある。名人の使った琴や尺八は海外で人気だという。 私はそんなセロニアス・モンクのピアノを探している。ブリ…
140字怪談「たぬき」 山で一休みしていると、狸が一匹やってきた。 「カチカチ山など下らない話のために、狸の地位が低下している」 狸は私にそう言った。 「狸の地位を上げる運動に加わってもらいたいのだ」 狸はそう言うと、木の葉と半分の油揚げを私に…
140字怪談「月食」 月食の日に猫の戦争があると聞いたので、猫の戦争を止めるために削り節を持って散歩に出かけた。 月食が始まるころ、猫達が公園に集まってきた。猫たちは二手に分かれた。そして、牛乳派とヨーグルト派に分かれて議論を始めた。 削り節…
140字小説「なま女房と化け猫」 なま女房の仕事は化け猫の世話でした。「化け猫さん、顔に毛が生えていると情が薄いとは本当ですか」化け猫は女房の顔じっとみる。「女房さんもうっすら顔に毛が生えています」 化け猫がいいます。「化け猫さんは今日ご飯…
140字小説「彼女の右足」 好きな子がいた。その子とは縁がないらしく、どう頑張っても結ばれない。 あまりにも可哀想だというので、その子の右足をもらった。 足ならば一緒に出かけることが出来るという優しさらしい。 その足はよく食べ、よく飲み、よく…
140字怪談「みのむし」 蓑虫は鬼の子です。鬼に捨てられた哀れな子です。 人食う親の罪なのか、人食う蓑虫の明日の罪なのか。 哀れな衣を着て人を見るとヒトクサイヒトクサイと鳴きます。 もしヒトクサイヒトクサイと鳴く蓑虫をみたら潰しましょう。 鬼に…
140字怪談「らじお」 私はラジオが好きです。 その日は夜中までラジオを聞いていました。 眠くなったのでラジオを消して寝ようと思い消しました。 ラジオは消えませんでした。 故障かなと思ったら「8月3日」そう言うとラジオはははははと笑ったのです。…
140字小説「横綱」 横綱の趣味は川に行くことです。 子供だった時、少年相撲で優勝しました。その次の日に小さな河童の子に相撲で投げられたのです。 横綱になったらまた相撲をしよう、河童は言いました。 川に行くと叫びます。横綱になったぞと。そして…
140字怪談「まがいもの」 山には河童がいる。山には天狗がいる。 どちらも山の神である。 たまに山を歩いていると、甲羅を背負った鳥みたいな河童にも天狗にもなれなかった奴をみることがある。 神になれなかったのだ。 目を合わせるとおまえおまえと叫ぶ…
140字怪談「お狐様」 山にある寺で狐にあった。 「昔は酒に厚揚げがおいしかった。ねぎをかけたら竹虎。 大根おろしで雪虎となる。ただ飽きてきた」 狐は哀れな声で言う。 「チーズケーキは良いな、あれなら百年後も悪くならないだろう」 狐はそう言うと…
140字怪談「電柱」 電柱1本植えると、化け物10匹いなくなります。 10本で100匹がいなくなるのです。 化け物のいない国のために、電柱はたくさん植えられました。 化け物も数が少なくなりました。 河童もだいぶ減りました。 いつからでしょうか。 …
「猟犬」 その猟犬は良い猟犬だった。 猟師のために、 獲物を狩りだし、格闘し、回収をした。 ある日、山で猟犬はまがいものを見た 猟犬は迷わず逃げた、その姿を見た猟師は犬を全力で追いかけた。 犬の通った道は安全である。 獲物にならないわけのわからな…
「天ぷらそば」 天蕎麦の天ぷらは衣が厚くなければならぬ。 蕎麦のつゆに負けない、 衣のしっかりとした天ぷらが天そばには必要である。
「盗人坊主」 ある坊主が盗み食いをした。怒った仏は罰を与えた。盗み食いした物が鼻から出るという罰を。
「座敷わらし」 座敷童は座敷童集である。 子供達が五人で遊んでいた。 ふと気が付くと、六人いる。
「化け猫」 猫が年を重ねると化け猫になる。 しっぽが二つにふえて怪しげな術を使う。 そして仕返し帳に書いた相手に復讐をする。
「怪談作家」 怪談作家がいた。 怪談作家の家に近所に住む少年がたずねてきた。 「怪談作家ですから夜が好きですか」
「山女」 昔、山女という洋人のような者がいたらしい。 詩仙といわれた李白は漢民族ではないという者がいる。 中国には碧眼の人がいたという。
「反魂香」 二人の老人がつまらない賭けをした。 反魂香という死人が煙に出るお香を焚き、 どちらの思いが強く死んだ女房を思っているか賭けたのである。