怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「日の本一のダメ太郎」(江戸時代の滑稽話より)

  伝聞昔話「日の本一のダメ太郎」

 

 昔、阿呆がおりました。

 その阿呆は桃太郎を読んでその気になりました。

 さっそく団子屋に行き、阿呆はきび団子を作らせました。

 その団子は三つの団子が串にささっておりました。

「串にささっていたら使えない、串にささなくていいのだよ」

 阿呆は団子屋に文句を言いましたが、団子屋に自分で外せと言われただけでした。

 

 男は穴の開いたきび団子を袋に入れ腰につけ、

「われこそは、日の本一の剣士桃太郎」

 そう言いながら、おうおうやあやあと歩いたのです。

 その姿を見て、阿呆を日の本一のダメ太郎と人々は呼びました。

 

 ダメ太郎は出会った犬にきび団子をやると、犬はいつの時代もけなげです。

 犬はダメ太郎と一緒に歩いてくれたのでした。

 

 ダメ太郎と犬はサルに会いました。

「サルさん。このきび団子で鬼退治にいかんかね」

 ダメ太郎はそう言うと、サルにきび団子をわたしました。

 

 サルはきび団子を受け取り、ながめ、

「これはきび団子か、そうか、これはまず団子だな」

 サルはそう言うと、きび団子を放り投げたのでした。

 そして、サルの投げたきび団子を犬が拾い食いしたのでした。

 

聞き伝える昔の話でございます

f:id:artart1982:20180520151006j:plain

江戸時代の滑稽話より。

本では、

 

桃太郎読んだ男がきび団子を猿に渡して、

猿に馬鹿にされる。

猿の口も贅沢になったのだと終わる話です。

 

滑稽話だと思うんですよね。

実は、本屋で10冊えらんで省いた8冊なのです。

その時に読んで覚えてたんですよね。

下らないなぁって。

そんな数行の話が沢山入ってました。

中国の民話とアイヌの民話を買ったんですよねその時。

そのうちに使いましょう。

ススペチッチススペランラン

 

本のタイトルでは桃太郎でしたが、このブログではもうあるので、

思い切ってかなり変えました。

本では犬さんも団子屋も出ません。

桃太郎という話だと桂三枝さん今は文枝さんの落語でもありますが、

新しすぎですね。

 

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。