伝聞昔話「寸白守の話」(今昔物語より)
伝聞昔話「寸白守の話」
腹の中に寸白を持った女がいました。
その女は子を産みました。
その子はとても頭が良く、出世をしていき、官職を得て信濃守となったのです。
守は国の人に歓迎され、坂向の宴で迎えられました。
坂向の宴には国の者だけでなく、守の郎党も出席しました。
守の机には胡桃を使った料理が様々に調理され皿に盛られていました。
「大変残念なことに、胡桃が苦手でな」
守はその食事を悲しそうに見ていました。
「この国は胡桃が有名です。この国の守なのですから、胡桃をお好きになってもらわないと困ります」
国の者が苦笑いしながら守に胡桃料理をすすめます。
その言葉に負け、守は胡桃を気分が悪そうに食べていました。
「新しい守は胡桃が苦手かな」
国の者が苦笑いしながら言います。
「こんなに胡桃が苦手なのは寸白だからではないか、こんなにも胡桃で苦しむのは怪しい、確認をしないといけない」
老人が言いました。
守に国の者が酒を提に入れて出しました。
その酒は守の杯にそそがれました。
杯の中の酒は濃く白く濁っていました。
「何なのだ、この酒は」
守が顔を青くし焦りながら言いました。
「この酒は三年寝かせた酒に胡桃を濃くすり入れたものです。新しい守にはこの酒をのんでもらうのです」
老人は満面の笑顔で酒をすすめたのです。
「さぁ守一杯ですから、お飲みください」
国の者も笑顔ですすめます。
「さあさあ、さあさあ」
皆が守にその酒を飲めと言います。
守は覚悟を決め、ふるえながら酒を飲みました。
そして、守はとけてしまいました。
守の郎党たちは驚き騒ぎました。
「守はやはり寸白だったか。寸白だから胡桃におびえた。胡桃を食べると死んでしまうからな」
老人は守の服を見て言ったのでした。
聞き伝える昔の話でございます
今昔物語からです
寸白はサナダムシです
寄生虫ですね
印象が変わったと思います。
※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。

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