怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話

伝聞昔話「ちょうふく山のやまんば」(楽しい民話)

伝聞昔話「ちょうふく山のやまんば」 とても気持ちのいい月夜です。 どこから来たのか大きな雨雲がもうみき村の上ににやってきて、大きな嵐となりました。 ややこみした ちょうふく山の山姥 ややこみした 餅ついてあげねば うま ひと 食ってしもうぞ ちょう…

伝聞昔話「地獄穴」(楽しい民話)

伝聞昔話「地獄穴」 男は毎日考えていました。 亡くなった妻のことを考えていました。 亡くなった妻にどうすれば会えるのか、夢なら会えるだろうか、そのようなことばかり考えていたのです。 悲しいことに夢であいたいと思っても出てくるのは会ったこともな…

伝聞昔話「五色の鹿」(宇治拾遺物語より)

伝聞昔話「五色の鹿」 昔、天竺でのお話です。 五色の体と白い角を持った美しい鹿が山の深く深くに暮らしておりました。 深い所に暮らしていたので人はその鹿のことを知りませんでした。 そんな山の深いところで鹿は鳥と仲良く暮らしていたのです。 鹿の暮ら…

伝聞昔話「座頭の木」

伝聞昔話「座頭の木」 昔、あったずもな。 うんと雨の降った年です。 その年は洪水で大変でした。 川の渡し守が流れてきた流木を拾っていると、良さそうな木が流れてきたのです。 「良い木かと思ったら、なんと可哀想に座頭様の死体でないか」 渡し守は座頭…