怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「不犯の鐘」(宇治拾遺物語より)

  伝聞昔話「不犯の鐘又は源大納言雅俊一生不犯の鐘を打たせる」

 

 昔の話です。

 京極の源大納言雅俊という人がいました。

 法事の時、仏前で鐘を一生不犯の者に打たせることにしたのです。

 ある僧が礼盤に上がりました。

 

 しかし、その僧は蕪木を取った状態で動かなくなったのです。

 僧は青くなり、滝のように汗を流しています。

「不犯ではないのかな、少し困りましたな」

 大納言の傍にいた者が笑いながら言いました。

 

 僧は汗を流し蕪木をふらふらゆらゆらと振り始めました。

 蕪木はふらふらゆらゆら空を不安げに漂っています。

 そして僧は大納言の前に行き、ただただ無言で震え始めたのです。

 

「何かあったかな」

 大納言が聞きますと。

「仏様に誓い女を近づけずの不犯でございます。ただ、えぇ、自分を自分で慰めるのは問題ないのでしょうか」

 青い顔の僧が震えた声で言いました。

 

 その言葉を聞き、皆は目を丸くしました。

そして顎がはずれそうなほど大笑いしました。

「それは、いつまでかね」

 大納言が聞きますと。

「たしか、たぶん、きっと、昨日だった可能性があるかもと思われるかもしません」

 僧が答えます。

「昨日だな」

 大納言がそう言い、皆がまた笑います。

 顎がはずれそうなほど笑います。

 笑い声はとても大きく、その笑い声は蕪木を動かしました。

 そして、

 こん

 と鐘が一つなったのでした。

  おもしろい

 

聞き伝える昔の話でございます

 

ここら辺が限界かしらね?

何を探っているのでしょうか?

宇治拾遺物語からです。

不犯はよく出ます。

宇治拾遺物語とかですとしくじる話が多いですが。

穀断ちや女性に会わないためにお堂から出ないなど、

即身成仏などお坊様はすさまじいですね。

それを笑う話も多いですが。

 

 

※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。