伝聞昔話「放屁女」(宇治拾遺物語より)
伝聞昔話「放屁女又は藤大納言忠家物言う女放屁」
昔の話です。
藤大納言忠家が殿上人だったことです。
美しく色好みの女と語らっていました。
楽しく語らっているうちに、夜が更けて、月が昼よりも明るんできたころです。
口を吸おうか、頬を吸おうか、それとも目ん玉吸ってやろうかと、でかい二匹の鼠のようにちゅうちゅうと脳みそが少なげに楽しんでおりました。
ちゅうちゅうと感情の炎を燃やし、その炎が大きくなった時、
ぶうぅぅぅ
と女が大きな屁をひりました。
その放屁の勢いで感情の炎は消えました。
嫌な空気と匂いが部屋に満たされました。
女はうぅと臥せっています。
臥せっている放屁女をおいて藤大納言は家路についたのです。
「嫌な思いをした。世間はあまりにくだらない、出家でもするかな」
藤大納言は月に語りかけたのです。
「だが、なぜ出家をしたのかと問われた時に、女がでっかい放屁をしたからでは格好が悪いな。やっぱり出家はやめよう」
藤大納言は月にそう語り、そして月に手をふり家路についたのでした。
おもしろい
聞き伝える昔の話でございます
宇治拾遺物語からです。
内容も題もどちらもひどい。
なぜだ、昔話を書いているだけなのに下品なのが増えてきたぞ…
※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。