伝聞昔話「小便女と蛇」(今昔物語より)
伝聞昔話「小便女と蛇」
夏のころです。
童女は困っていました。
数時間ほど前、童女の仕えている女が小便をするから、そこで見張っていろと言って築垣に行きました。
そして、女は築垣に小便をする姿勢のまま動かなくなったのです。
「大丈夫ですか」
童女が声をかけても反応がありません。
小便には長い、大でも長い、何かおこったのかと思いましたが見当がつきません。
二時間経ち、四時間経ちました。
みんみんと鳴く蝉の声を聞きながら、童女は小便の姿勢の女を悲しそうに眺めていました。
童女は色々と悲しくなり泣きました。
そこに、馬に乗った男が従者を連れて通りがかりました。
「どうかしたのか」
男が泣いている童女に聞きます。
童女は何があったのかを話しました。
男が女に近づくと、女は色艶が悪く死人のようです。
「不思議だ、以前にもあったかね」
男が童女にたずねました。
童女はこんなことは初めてだと言います。
よく見ると女は可哀想な姿勢ですが、美しい見た目をしていると男は思いました。
男はただ女を眺めていました。
「どんな美人でもこんな姿では哀れだな」
男は女を見ながら言いました。
男が築垣を見ると、穴が開いていて、そこから蛇が女をにらんでいました。
「蛇に誘われたのか」
男はそう言うと、従者を呼びました。
男は刀を抜き、蛇の穴に刀を入れ、穴の奥に向かい切っ先をつきたてました。
それから、従者たちに女を抱えさせ手前に動かせば、蛇は築垣から頭をつきだそうとしたのです。
その時に蛇は刀で二つに裂けたのでした。
女は気がつき、男たちを見て、くたくたと臥せったのでした。
おもしろい
聞き伝える昔の話でございます
今昔物語から。
これも原題はかきたくない。
宇治拾遺物語はよかった。
伝えてどうするのか?
しらない。
※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。