怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

伝聞昔話「かちかち鳥」(楽しい民話)

  伝聞昔話「かちかち鳥」

ガーデンオーナメント(L) Rabbit(ラビット) KH-60866

 

 

 かわいそうなかわいそうな熊と悪い兎の話。

のそりのそりとその熊は動く。

 どんぱちな熊である。

 たっぷりかせいだ枝をその熊はせおって山を下りていた。

「くまさんくまさん。あなたは力持ちだから私もついでに運んでおくれ」

 白兎はそう言うと、熊の返事を聞かずに熊の背負っている枝に座った。

 かち

 かち

「兎さん。何かかわった音がするね」

 熊が言った。

「これはかちち鳥の鳴き声だ。嫁が欲しい嫁が欲しいと鳴いているんだ」

 兎は火うち石をかちかち鳴らしながらそう言った。

 ぼうぼう

 ぼうぼう

「兎さんまた変な音がするね」

「これはぼうぼう鳥の鳴き声だ。腹がへった腹がへったと鳴いているんだよ」

 兎はそう言うと走って逃げた。

 ぼうぼう

 ぼうぼう

 熊の背負った枝は兎の火うち石でつけられた火で、ぼうぼうと燃えていた。

 熊の背中も燃えた。

 次の日。熊は違う山で兎に会った。

「お前さんはひどいことをしてくれたな」

 熊が怒ると、

「私は昨日お前さんに会っていないよ。違う兎と勘違いしている」

 兎はそう嘘をついた。

「そうか。熊には兎が皆同じに見えていけない」

 熊は素直に謝った。

「お前さん面白い遊びをしないかい。それはこの縄で手足を縛って山を転げ落ちるという遊びだ。とても楽しいよ」

 兎が楽しそうに言うので、熊はやってみることにした。

 熊は兎の言うように手足を縄で縛って山を転がり落ちた。

 熊はひどいけがをした。

 次の日。熊は兎に会った。

「お前さんは悪い兎か?」

 熊は兎に聞いた。

「私は良い兎です。良い兎の医者です」

 兎は嘘をついた。

「医者ということは薬が有るかね?」

「えぇ、良い塗り薬があります」

 熊の質問に兎はそう答えた。

 熊は兎の持っている塗り薬を塗ってもらった。だが、その塗り薬は味噌だった。

 味噌は熊の傷を思いっきり痛めつけた。

 熊は様々な声で叫び、兎は笑いながら去っていった。

 熊が海に行くと、兎と二そうの舟があった。

 杉で出来た白い舟と、泥で出来た黒い舟である。

「お前さんは何をしているんだい」

「釣りに行くのさ。お前さんも行くかね?」

 兎は釣りに熊を誘った。

「白い兎は悪い奴だから行かないよ」

 熊はことわった。

「お前さんは白い兎にひどい目にあわされたのかね。なら私が謝ろう。一緒に釣りを楽しもうじゃないか」

 兎は謝り、熊を釣りを誘ったのだ・

「いや、謝るのは私の方だよ兎さん。兎というだけであなたを悪者にしようとした。私が謝らないといけない」

 熊は兎に謝った。

 熊は黒いから黒い泥の舟。兎は白いから白い杉の木で出来た木の舟に乗って釣りに出かけた。

 そして熊の乗った泥の舟は海の水で割れ、乗っていた熊は海でおぼれてしまった。

 兎はおぼれた熊を鍋にして食ったのだった。

 

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カチカチ山が鳥になると何とも言えない話になります。

あとは爺さんの所に行って、熊の頭をかじらせて爺さんの歯を全部だめにするという話もあります。

怖いですね。

残酷だった昔話とかありますが、感覚的に何とも言えない話を頑張っていじったという印象です。

 

 

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※基本的に聞き伝えるという形で、大筋は変えずに思うままに書いております。