怪談「徒然草子」

徒然なるままに、きいぼうどと心にまかせて、古典狂の怪談童話創作家の結果的にここだけの怪しいかもしれない話

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

胡椒とトマトで夏は越えられるのか?

お題「わたしの暑さ対策」 漫画で胡椒と出汁の雑炊が体にいいと書いてありました。 胡椒って体にいいの? ピペリン、カリウム、鉄分が入っているそうですが、鉄分は期待できない気がします。 血行促進、食欲増進などや、ダイエットなどのアンチエイジングも…

伝聞昔話「食人蚊」(中国の楽しい民話)

伝聞昔話「食人蚊」 ぶうぅぅん ぶうぅぅん 不快な羽音がします。 昔々の中国の話です。 中国には人を食べる大きくて恐ろしい蚊がいました。 その蚊は口先が一尺五寸あり、体中に毛が生えていて、大きな羽二枚と小さな羽二枚を使って空も陸も自由に移動でき…

怪談「夜道の同行者」

怪談「夜道の同行者」 暗い暗い、夜道を歩いていると、帰り道を一緒にしようとする者たちがいます。 送り狼という妖怪がいます。その妖怪は夜道を歩いていると、 「帰り道を送ってやろう。もしこけたら食べてやろう」 そう言ってついてきます。 転ばなければ…

怪談「漆の箱」

怪談「漆の箱」 それは蒸し暑い夜中の話です。 男は変なものを見ました。それは人に見えるのですが、何かがおかしいのです。着物を着たおかっぱ頭の女のようなものが、漆の箱を持って、ゆらんゆらん、ふらんふらんと歩いています。 そのものは男に近づいてき…

140字小説「ちか(生)」

140字小説「ちか(生)」 ちか(生)をスーパーで買った。寒かろと金の衣をつけてやる。簡単に言えば天ぷらにする。あちあちと音を立てて、野暮ったい衣が美しい金の衣に変わっていく。 スープに泳がせて食べれば、ちか(生)は往生するだろう。西方浄土…

140字怪談「五人天狗」

140字怪談「五人天狗」 山を歩くと細長い人が歩いていた。そんなふらふらしていると手で押してしまうぞと言うと、その人みたいなものは五匹の狸になって山の奥へと入っていった。 そして、お許しをといって3枚の木の葉が私の足元に置かれていた。 意味が…

怪談「提灯」

怪談「提灯」 たそがれ時はいつもぼんやりしています。 昼と夜が混ざり合って、夜になっていくので、たそがれ時はいつもぼんやりとしているのです。 人でない、動物でないものはお日さまが苦手ですから、たそがれ時にやってきて夜にかっぱつに動きます。ゆら…

140字怪談「付喪神」

140字怪談「付喪神」 付喪神という物に魂の宿った神様がいる。基本は復讐する神だが、様々な物があり、当然その物の中には名人の使った楽器もある。名人の使った琴や尺八は海外で人気だという。 私はそんなセロニアス・モンクのピアノを探している。ブリ…

自由記述帖「天使の教会」

自由記述帖「天使の教会」 山の上に教会がありました。 山の下にある町はとてもにぎやかでしたが、山の上にある教会はとても静かでした。 今はだれもいない教会に悪魔の少女が素足をぺたぺたと入っていきました。 誰もいない礼拝堂、天使の少女が蜘蛛の巣で…

自由記述帖「金魚草尼」

自由記述帖「金魚草尼」 五人のお坊様が同じ夢を見ました。 その夢は地面が光っている夢でした。 五人のお坊様は夢でみた場所に集まりました。 五人は力を合わせその場所をほったのです。 その場所にはひつぎが埋まっていました。 ひつぎの中には美しい尼様…